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考えさせられる

おりこうねこ

おりこうねこ かわいい表紙に惹かれて借りた絵本でしたが、いや、何かすごく深〜いお話しでした。 無責任な飼い主、あくせく働く辛さ、本当にお利口なのは誰か。現代社会への風刺がききまくった大人の絵本です。 猫がかわいそうで読むのがツライですが、最後…

しあわせなときの地図

しあわせなときの地図 戦火を免れるために住み慣れた町を離れなければならなくなったソエ。 町の地図を眺めながら思い出の場所を辿っていきます。いつかこの町に戻ってきた時に、大切な場所を忘れないように。 今も世界には大勢のソエが、思い出がたくさん詰…

いつか、きっと

いつか、きっと 華やかな表紙に惹かれてジャケ借りした絵本。 内容は、私のイメージとは全く違う深~いお話でした。 子どもの目に映る世界が小さな棘のようにチクチク刺さり、ラストはグサッ!っとかなり衝撃的。 この世界を作ってきた大人として、いろいろ…

むこう岸

むこう岸 裕福な家庭で毒親に育てられた少年と貧困家庭で生活保護をもらって暮らす少女が登場人物のお話。 読み初めは「おぅ、またこのパターンか…」と思ってしまったのだが、読み進めるうちに止まらなくなってしまった。 生活保護という人からの施しで生き…

52ヘルツのクジラたち

52ヘルツのクジラたち ひねくれ者なので流行りものは3年くらい寝かす主義なのだが、爺さん(私の父)と中2娘に推されて手に取った本。 何もかもを放り出して一気読みしてしまった。 娘は、学校の休み時間に読んでいたら友達が恋バナをしに来て、 「あの、…

はかれないものをはかる

はかれないものをはかる 数値化できない様々なものの量?長さ?重さ?を想像しながら自分自身を見つめ直せる軽やかでズッシリ重たい絵本です。 思春期の中学生娘にも成人ちょい前の高校生息子にもテレワーク疲れの夫にもオススメ。 お題を読んで目一杯妄想し…

レッド あかくてあおいクレヨンのはなし

レッド あかくてあおいクレヨンのはなし 本当は青なのに赤色の紙を巻かれたクレヨンが主人公のお話。 赤色を描くことを期待し励ます仲間と期待に応えられずに苦しむレッド。 本当の自分に気づいたレッドの喜びとそれを受け入れる仲間が素敵です。 LGBTの人の…

オットー 戦火をくぐったテディベア 

オットー―戦火をくぐったテディベア (児童図書館・絵本の部屋) 戦争によって引き裂かれたユダヤ人とドイツ人少年の友情、アメリカ兵救出劇など、第二次世界大戦の戦火をくぐり抜けたテディベア・オットーの自叙伝です。 短いお話ながら、戦争の理不尽さが胸…

地球に住めなくなる日

地球に住めなくなる日 「気候崩壊」の避けられない真実 怖ろしい本を読んでしまった。英米で大ベストセラーの気候変動に関する本。 多くの科学者たちが導き出した客観的事実に基づいて気候変動による未来を予測しているのだが、もう絶望しかない・・・。 し…

さよなら、田中さん

さよなら、田中さん 知り合いの薦めで何も知らずに手にした本。 主人公は貧しい母子家庭で育つ小学校6年生の女の子。 貧困の中でも生きることを目一杯楽しんでいる母子の明るさと逞しさがとにかく面白い! 中流家庭との格差がしっかりと、ものすごくリアル…

23分間の奇跡

23分間の奇跡 (集英社文庫) さいたま市の全公立学校で「医療従事者への感謝の拍手実施」というニュースをみて、頭に浮かんだ本。 以前紹介した記事です。 mametsubu-ehon.hatenablog.com 医療従事者へ感謝することはもちろん素晴らしいし、コロナと戦う医療…

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 外出自粛につき、長らく我が家の本棚に置かれていた本をやっと読んだ。 著者は、イギリスに住む元底辺託児所の職員で、現・元底辺中学校に通う息子のお母さん。忌憚ないリアルなお話が面白くて一気読み!時事ネ…

茶色の朝

茶色の朝 外出自粛のお供にオススメの本。 ファシズムの始まりを淡々と描いたフランスのベストセラー小説。 「茶色の猫しか飼ってはいけない」という政府からのお達しに違和感を感じながらも、何となく受け入れ続けてきた「俺」の運命やいかに…。 人々の事な…

ピンクがすきってきめないで

ピンクがすきってきめないで (講談社の翻訳絵本) ジェンダーバイアスにイラッとしている女の子が主人公のフランスの絵本です。 インパクトのあるお洒落な絵が素敵。 女の子らしさ、男の子らしさって何だろう?と改めて考えさせられます。 でも最近は、子ども…

ジョージと秘密のメリッサ

ジョージと秘密のメリッサ トランスジェンダーの10歳の子どもが主人公のお話。 性の多様性に関する本を探していて出会った本。 ジョージのことを「女の子の心を持った男の子」ではなく「男の子の体で生まれてしまった女の子」という認識で読むと、その苦しさ…

ジャーニー国境をこえて

ジャーニー 国境をこえて カラフルでお洒落な表紙からは想像もつかない、過酷で厳しい難民家族のお話。 戦争でメチャクチャになった祖国を捨て、必死にこえた国境の先には、終わりの見えない長い長い旅が・・・。 大切なものをいっぱい詰めた大量の荷物が、…

さがしています

さがしています (単行本絵本) 広島に落とされた原爆で、この世からいなくなった持ち主を物たちが語り部となって探し続ける写真絵本。 主人公の物たちは、どれも広島平和祈念資料館の所蔵品。 1945年8月6日午前8時15分に時が止まったままの物の写真に胸が締め…

問題だらけの女性たち

問題だらけの女性たち 女の脳みそは小さくて軽くてスカスカ。 女が医学を勉強すると胸がしぼんでしまうから医学を学ばせない。 女の手は男を称賛する拍手をするためにある。 歴史上の偉大な天才たち、ダーウィン、ルソー、ショーペンハウアー、モーパッサン…

こちら『ランドリー新聞』編集部

こちら『ランドリー新聞』編集部 (世界の子どもライブラリー) 教育に対する情熱を失い、授業を放棄しているラーソン先生が、友達を1人も作らない転校生のカーラが張り出した手作り新聞の社説を読んで衝撃を受け…。 言葉によって情報や意見を伝えることの重さ…

みかづき

みかづき (集英社文庫) 大好きな児童文学作家(だと思っていた)森絵都さんの長編小説。 基本的に塾好きな私にはとっても共感することが多かった。 私自身、学校より塾の方が断然好きだったし、いまでもマニアックで面白そうな塾をせっせと探しては自分の子…

希望の牧場

希望の牧場 (いのちのえほん23) 東日本大震災後の原発事故で「立ち入り禁止区域」に指定された牧場で、被爆した牛たちを世話し続ける牛飼いを描いたノンフィクション絵本。 無駄な装飾や大人目線の説教臭さが一切ない、ストライクゾーンど真ん中の直球絵本で…

この計画はひみつです

この計画はひみつです どことなくワクワクした大人たちが描かれた表紙とタイトルから壮大なSF絵本かと思いきや、ニューメキシコの名もない町に集められた優秀な科学者たちが極秘裏に作り上げたものは原子力爆弾。 1945年7月16日にニューメキシコの砂漠で行わ…

そして、ぼくは旅に出た。

そして、ぼくは旅に出た。: はじまりの森 ノースウッズ カメラマンを夢見る著者が世界的に有名な写真家に弟子入りしようと 「アポなし、金なし、知識なし、行く宛なし」で旅に出る冒険物語。 手がかりは写真集に載っていた自宅周辺の簡単な地図と小屋の写真…

ことばのかたち

ことばのかたち 折にふれ何度も読み返したい(子ども達にも読み返してもらいたい)絵本。 もしも言葉の形が、色が、目に見えたら・・・。 想像力が無限に膨らむ素晴らしい絵本です。 柔らかな水彩画がとっても綺麗。 いろんな言葉の形を想像すると自分が発し…

23分間の奇跡

23分間の奇跡 (集英社文庫) かわいい表紙と読みやすい文章とは裏腹に・・・、お話の内容が怖ろしい~。 教育現場における洗脳が、かくも自然に短時間でできてしまうとは! そして、それをやってのけてしまう新任教師の実態がまた怖ろしい。 でもそう考えると…

かがみの孤城

かがみの孤城 天邪鬼なので流行りモノは5年くらい寝かせる事が多いのだが、夫に勧められて手にした本。 家事も育児も放ったらかしで一気に読んだ。 めちゃくちゃリアルな主人公の日常にファンタジーとミステリーが絡み合い、怒涛のラスト前と余韻を残す素晴…

あっちの豚こっちの豚

あっちの豚こっちの豚 佐野洋子さんの没後に発見された絵をもとに再出版された本。 文明社会にどんどん飲み込まれていく豚と、それに違和感を感じながら傍観している豚。 幽体離脱か?! みたいなホラーっぽさがすごくいいです。 自分にとっての幸せって何だ…

うみべのまちで

うみべのまちで 炭鉱の町で生きる家族を描いた映画みたいな絵本。 静かで、深い。

この本をかくして

この本をかくして 戦争で町の図書館が爆破され、図書館にあった本がすべて失われてしまう。 初っ端から、とっても悲しくてやるせないお話。 お父さんが図書館から借りていた本が唯一残る。 国を追われ、彼の地に逃げる時、何よりも優先して持っていった大切…

スモーキーナイト ジャスミンはけむりのなかで

スモーキーナイト―ジャスミンはけむりのなかで (海外秀作絵本) 力強い絵と面白そうなタイトルに惹かれて借りてきた絵本。 読み進めるうちに1992年にロスアンゼルスで起きた暴動事件の夜を描いた絵本と気づいてビックリ。 人種差別と貧困、暴徒化する大衆…