この計画はひみつです
どことなくワクワクした大人たちが描かれた表紙とタイトルから壮大なSF絵本かと思いきや、ニューメキシコの名もない町に集められた優秀な科学者たちが極秘裏に作り上げたものは原子力爆弾。
1945年7月16日にニューメキシコの砂漠で行われた世界初の核実験を描いたノンフィクション絵本です。
淡々と語られるストーリーゆえにラストのインパクトがすごく効果的で、理屈抜きに、こんなものは二度と使ってはいけないんだと読者に伝える十分な説得力がある。
科学者たちの純粋な知的好奇心を利用する恐ろしさ。
実験結果の凄まじい破壊力に満足して、実際に広島、長崎に投下する狂気。
高学年へのブックトークで紹介したい一冊。